松浦武四郎
2013年11月06日
横浜市歴史博物館では、企画展「横浜市立大学コレクション古地図の世界 地球のかたちと万国の大地」を11月24日まで開催中です。歴史地理学者・故鮎澤信太郎氏が収集した古地図で横浜市立大学に寄贈された地図など約60点が展示されています。
全体的には、江戸時代の世界地図が中心ですが、こんな面白い地図もあります。
●世界六大州(江戸時代 1853年以降刊)
世界地図ですが、地図の周辺に「大人国」、「小人国」、「女人国」などの文字と人の姿が描かれています。●万国航海図(江戸時代 1862年刊)
宇宙から見ることができなかった時代に、これほど詳細に大陸の形がわかっていたのかと驚きます。
●マテオリッチ原図の坤輿万国全図(コンヨバンコクゼンズ)
中国に渡来したイエズス会のイタリア人宣教師のマテオリッチが作った地図で、幻の大陸「メガランカ」が南極大陸から大きく伸びるように描かれています。
一方、静嘉堂文庫美術館(東京都世田谷区)では、北海道の名付け親で幕末の北方探検家の松浦武四郎が残したコレクションが約600点所蔵されておりますが、そのうち125点が展示されています。展示は12月8日までです(詳細はこちら)。
注目されるのは、「東西蝦夷山川地理取調図(とうざいえぞさんせんちりとりしらべず)」で、多色刷りのこの地図は、1枚は経度緯度を1度ずつ区切ったもので、26枚を並べると縦2m40cm、横3m60cmの広さとなり、北海道、国後島、択捉島の地図となっています。伊能忠敬や間宮林蔵が測量した沿岸部のデータに、歩測とスケッチそれにアイヌの人々から得た情報に基づいて内陸部を詳細に表したものです。この地図では、川が流れる様子のほか山がある場所をケバで表現しています。
jmcblog at 08:30