地図の店から
2013年05月30日
文化庁からUNESCOに提出された世界文化遺産に係る推薦書*のなかで、富士山の顕著な普遍的価値として、
・「富士山信仰」という山岳に対する固有の文化的伝統、
・世界的な「名山」としての景観、
・顕著な普遍的意義を持つ芸術作品との直接的・有形的な関連性、
が掲げられています。
* 文化庁:報道発表資料(PDF・1.7MB)
富士山信仰では浅間神社が大きな拠点です。火山噴火などの荒ぶる自然(=神)を鎮めるため建立されたと考えられます。祭神は木花咲耶姫命ですが、古くは浅間神、時代によっては浅間大神、浅間明神、あるいは浅間大菩薩などとも呼ばれています。文化庁の資料では、信仰対象としての構成資産として、標高おおむね1500m以上の「富士山域」や各登山道と各登山口付近にある浅間神社などが掲げられています。
富士山の景観については、絵画や文学作品の源泉ともなりました。近いところでは富士五湖や忍野八海などの地が掲げられています。高い独立峰なので、いろいろな場所から遠望できます。山尾望こと田代博さんがカシミール3Dを駆使して、多角的な「富士見」に取り組んでおられます。富士山を借景とした景観は各地にあり「富士見」と付く地名もありますが、なぜか三保の松原(静岡市)だけが揚げられています。地図をみるとここだけ孤立していて、ICOMOSの勧告でも外すよう条件が付けられてしまいました。
富士山への信仰登山として、古くは平安時代からの村山修験があり、江戸時代には「富士講」という一種の新興宗教が大流行しました。当時の江戸庶民にとっての富士参り(登山)は、お伊勢参りとともに、現在の海外旅行以上の一世一代のイベントだったようです。富士参りができない人々のため、富士山を遙拝する浅間神社が関東を中心に多数建立され、さらに富士塚と呼ばれる富士山に見立てた築山も各地に築かれました。
地図センターの近所に、上目黒氷川神社境内の斜面を登山道に見立てた目黒富士があります。かつては独立した築山だったらしいのですが、国道246号(大山街道)の拡幅にともなって破壊され、近年になって登山道のみが再建されたものです。本物と同じように一合目・二合目・・・があって山頂、といっても台地の上に過ぎないのですが、氷川神社の社殿と並んで浅間神社の小祠があります。地図の店に来られた際には、目黒富士登頂にも挑戦してみてください。標高差は12mほどですが、雑木林の木漏れ日の中の「登山」は氷川神社の急な石段よりも足に優しい感触です。
扇山(1138m,山梨県大月市)から眺めた富士山.
富士山、世界遺産へ (1)
富士山、世界遺産へ (2)
富士山、世界遺産へ (4)
2009年12月25日
-- 今年もありがとうございました--
こんにちは、(財)日本地図センター地図の店です。今年も残りわずかになりました。皆様には大変お世話になり、ありがとうございました。 また、今月はじめに開催いたしました第4回「地図ふぇす 鳥瞰図の世界Ver.2」も大成功のうちに終了し、多くの方に鳥瞰図をごらんいただきました。 次回の「地図ふぇす」は、来年6月に開催予定しております。皆さんに楽しんでいただけるものにしたいと考えています。
来年の「地図の店」は、もっともっとさまざまな地図商品を揃えてまいります。地図に関する総合情報発信店として、よりいっそう皆様に楽しんでご利用いただける場所としてスタッフ一同がんばりますので、(財)日本地図センター「地図の店」をよろしくお願い申し上げます。
では地図が大好きな皆様、よいお年をお迎えください。
2009年11月27日
−地図ふぇす 鳥瞰図の世界Ver.2−
こんにちは、(財)日本地図センター地図の店です。今月は、12月4日(金)〜6日(日)に開催の第4回 「地図ふぇす」 をご紹介いたします。
今回のテーマは、6月に開催いたしました第3回 「地図ふぇす 鳥瞰図の世界」 のVer.2として、前回ご紹介できなかった地図を沢山展示します。明治期の大東京パノラマ鳥瞰図を筆頭に、大正 ・ 昭和 ・ 平成と東京を中心に全国各地の町や鉄道、 自然、観光地などを描いた鳥瞰図をご覧いただけます。 吉田初三郎はもちろんのこと、金子常光、岩 邦友、石川真琴、中田富仙、藤本一美、池崎 功、久芳勝也他の図や、その他にコンピュータグラフィックによる出力画が展示されます。
鳥瞰図は人が実際に飛行機などから眺めた風景を絵に描いたのではなく、地形図などをじっくりと眺めて頭の中で地形を立体的に組み立て、現地に出向き調査や観察を行い、 地形をどこまでも鮮明に、詳細に、遠近感を持って描いたものです。 鳥瞰図には描いた作者の繊細さや心の温かさが伝ってきて、観る人に感動や癒を感じさせてくれます。
是非、12月の4,5,6日は忙しい師走のひと時を日本地図センターで鳥瞰図の魅力に浸ってください。なお、当日ご来場頂いた皆様には、来年の地図カレンダーを プレゼントします。 また、併催で首都高速中央環状線と高架構造の3号渋谷線とを接続する 「大橋ジャンクション」 の建設状況が知ることができる首都高速道路 (大橋JCT) 建設の立体模型も展示します。是非ごらんください。お待ちしております。
http://www.jmc.or.jp/event/fes4/index.html
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2009年10月30日
-- 地図を片手にぶらり旅、してみませんか? --
こんにちは、(財)日本地図センター地図の店です。10月〜11月は全国各地でいろいろなイベントが行われていますね。 そんな中でも、鉄道に関係するイベントは結構多いようです。鉄道ファンがそれだけ多い証拠ですかね。
ところで、地図の店にも鉄道ファンに楽しんでもらえる地図や図書が沢山そろえてあります。 昔懐かしい国鉄時代のものや廃線跡紀行や、蒸気機関車何々、電車車輌編成表、誰でも使える格安チケットガイド、おなじみ駅弁情報などさまざまな書籍があります。
さて、話はかわりますが、仕事に追われるお父さんたちは、休日ともなると家族にせがまれて日帰り旅行に出かけることが多いようです。 しかし、出かけるとなると車で行くことが多くなりますが、高速道路の割引で、休みともなると大渋滞の連続です。 毎日がんばるお父さんたち、これでは疲れやストレスを取る暇もないつらい毎日ですよね。たまには自分のためにゆっくり癒しを求めた旅をしてください。特にこれからは新酒が出る季節でもあります。一人旅と洒落込んで見てはいかがですか。
最近の日本酒や焼酎には非常に安くて美味しいものが多くなりました。 名の知れた銘柄酒より、あまり知られていないものに大変美味いものが多いですね。自分しか知らないうまい酒と肴との出合いに、 地図を片手にぶらりと出かけてみてはいかがですか。 静かでおいしい酒や肴がある居酒屋を求め、ぼんやりと地図を片手にぶらり散歩もいいものですよ。 そんな気にさせる地図や情報満載の書籍も「地図の店」にご用意しております。当店であなたなりの旅を探してみませんか・・・?
さて、12月4日(金)〜6日(日)の3日間、日本地図センターで「第4回地図ふぇす」〈鳥瞰図の世界〉を開催します。当日は、来年の地図カレンダーも配布いたします。入場無料ですので、是非ご来場ください。皆様のお越しをお待ちしております。
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2009年09月25日
防災地図、備えあれば憂いなし!
こんにちは。(財)日本地図センター地図の店です。ようやく蒸し暑い夏も終わり、秋を告げる虫の音に心を癒される季節になりました。
ところで秋は台風など自然災害なども多く起こる季節でもあります。 そこで地図の店では、過去の災害の教訓を忘れず防災を心がけていただくように、 ショーウィンドウに、伊勢湾台風(1959年9月) の爪跡を写した空中写真や、暴風雨と高潮で冠水した区間に築堤した仮線を電車が通る風景の写真を展示しました。 この写真はあたかも海の上を電車が走っているような珍しい光景の写真(名古屋鉄道常滑線)です。また、地形の高低差が判り、 洪水や高潮が起きた場合の危険度が一目で分かる 「1:25000デジタル標高地形図濃尾平野西部」(3Dメガネを使用すると、より詳しく立体的に見えます)も併せて展示してあります。 10月中旬まで展示してますので、是非一度ご覧ください。 なお、店内には防災に役立つ地図及び書籍がそろえてあります。
防災に役立つ主な地図関連商品を以下にご紹介します。
・ 1:25000デジタル標高地形図
・ 1:25000治水地形分類図
・ 1:25000土地条件図
・ 1:25000都市圏活断層図(印刷図)
・ 1:25000火山土地条件図、火山基本図
・ 地形図、空中写真
・ 地図中心9月号(伊勢湾台風50年 特集)など
1:25000デジタル標高地形図濃尾平野西部
「数値地図 5mメッシュ (標高)」の標高データをもとに、色づけして作製した 陰影段彩図に、2万5千分 1地形図を重ねて作成したものです。詳細な地形の形状や、 地域における標高の高いところ、低いところがよくわかる地形図です。
1:25000治水地形分類図
治水対策を進めることを目的として、国が管理する河川流域のうち平野部を対象として、昭和 51〜 53年にかけて作製した、縮尺2万5千分 1の地図です。自然堤防、旧河道、後背低地など詳細な地形分類 や地盤高線、昔の河川工作物などの情報も盛り込まれており、土地の成り立ちと高低、堤防整備状況を知ることができます。また、水害や地盤災害(沈下・液状化)の判定にも役立てる地図です。
詳しくは当センターまでお問い合わせください。
問い合わせ電話 03−3485−5414
2009年08月27日
行楽シーズン到来、お手元にこの1冊を!
毎度ありがとうございます。(財)日本地図センター地図の店です。
お盆の里帰り、夏休みの行楽と全国各地に皆さんの大移動がおこなわれました。それもようやく落着き、いつもの日々に戻ったようですが、今度は秋の行楽シーズンが始まります。9月には大型連休もあり、楽しみがたくさん待っていますね。
ところで、電車や飛行機などの移動ではあまり気にならない休憩場所ですが、車で一般道を走るときにはなかなか見つからず、困ることがよくあります。しかし、この頃は道の駅が沢山作られていて、事前に場所を知っていると大変重宝です。
この夏地図の店では、道の駅関連の本がよく売れました。最近の旅行情報誌は、道の駅の場所はもちろん現地の特産物や、温泉など癒し系の施設案内、グルメ情報のほか、近くの観光スポット案内などが豊富に紹介されていて、毎日忙しく働き行楽の情報を集める時間のない方には非常に重宝します。なかでも当店一押しのものは「道の駅 旅案内全国地図」A4判 本体¥1,100(ゼンリン)です。全国887箇所の道の駅が詳しく紹介されています。
皆さんの車に是非一冊常備されてはいかがですか。
道 の 駅 道の駅がどこにあるかすぐわかる日本全国の
旅案内全国地図 ロードマップ/全国887ヶ所の「道の駅」情報と
(平成21年度版) 位置が分かる地図を収録
価格 1,155円(税込み) /発行 2009年3月
http://www.zenrin.co.jp/product/guidebook/michinoeki/product.html
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