2014年11月20日
日本にソビエトという地名が誕生
和歌山県すさみ町の沖の「沖の黒島」に隣接する無人島に、「ソビエト」という名称が地元では以前から付けられていましたが、このたび「地理院地図」にも載りました。
平成21年に定められた「海洋管理のための離島の保全・管理のあり方に関する基本方針」に基づき、わが国の領海や排他的経済水域の外縁を根拠付ける離島について、地図及び海図に名所記載のない離島への名称付与作業が進められてきました。平成23年度までに49の離島において名称がつけられ、平成26年8月1日には、新たに158の離島について新たに名称が決定されました。この中にこの「ソビエト」が入っており、「地理院地図」にも名称がつけられました。紀伊半島の南に位置しているので、領海などの根拠のためには重要な島となっています。
この「ソビエト」は沖の黒島の沖側に位置する10m×5m程度の、数人程度しか上陸できない小島で、近くの国道42号線(赤色に着色されています)からは見ることのできないところです。ただ釣り人の間ではよく釣れるところして知られているそうです。
なぜ「ソビエト」なのかは、古くから釣り人の間で言い伝えられてきた名称だとのことで、“島や岩がそびえたっているように見えたからではないか”と話す人もいるようですが、定説はないようです。
なお「地理院地図」には158の離島名称すべて載っていますが、刊行している2万5千分の1地形図には、名称が決定してから4か月ではわずかしか載っていないと思われます(「ソビエト」は確認しましたがまだ載っていません)。海上保安庁海洋情報部から出されている海図にも、158の離島名称が順次入れられてきており、海洋情報部のホームページでは現在39の名称が確認できましたが、まだ「ソビエト」は入れられていませんでした。
今回の158の離島名称のうち、「ソビエト」以外におもしろい島はたくさんありましたが、5つ選ぶと以下の通りです。
ウカウプ岩(北海道斜里町・弁財崎) どのような意味があるのでしょうか
ヘソイシ(青森県八戸市・種差) 要石なのでしょうか
女神山岬南東小島(鹿児島県十島村・悪石島) 仮名で15文字、名前は大きい
フカヌシー(沖縄県渡嘉敷村・ウン島) ウンが付いている離島?
カラカサノイボ(山形県酒田市・御積島) どんな形かイメージがわきます
(M)