2014年07月16日

“富士山頂は静岡県?未確定の県境に「住所」”のその後

6月18日の地図の散歩道の“富士山頂は静岡県?未確定の県境に「住所」”では、3回連続して掲載された朝日新聞の記事を紹介しました。その概要は以下の通りです。

6月1日には、地理院地図では富士山頂付近の住所が静岡県富士宮市山宮と出ることが、6月4日には、このことに山梨県知事が「不適切」として国土地理院に是正を求める考えを明らかにしたことが、6月6日には、国土地理院はこれを受け、この付近の住所を表示する機能を停止させた、ことなどが述べられています。
 
 その後も2度、朝日新聞に続報が載ったので紹介します。

6月30日の夕刊では、“山梨県のネット地図 富士山頂は「静岡県」”とのタイトルで、山梨県がインターネットで公開している「まっぷde山梨」には、地形や地質がわかる土地分類図など複数の地図があるが、すべて富士山頂付近に県境線が引かれていることがわかりました。また住所検索でも山頂付近では「静岡県富士宮市」と表示される状態でした。山梨県企画課によると、このサイトの地図は「グーグル社」が提供するグーグルマップで、この4月から公開を始めたばかりでした。住所検索は表示されないように改められましたが、地図の修正や差し替えは費用の問題で難しく、しばらくはこの状態が続くとのことでした。

7月8日の朝刊では、“富士山頂は「静岡県」 24地図で”とのタイトルで、山梨県が7日、県が管理する24のウェブサイトの電子地図で、山頂を静岡県と表示していたと発表した、とありました。「婚活やまなし」、「企業立地情報サイト」などの24のウェブサイトの電子地図では県境線が引かれ、山頂付近は静岡と表示していましたが、地図データを提供している、「グーグル社」とオンライン地図の「マップファン」にデータを提供する国内2社に改善を求め、7日までに見通しがたった、と掲載されていました。

(参照)グーグルマップを使用している「やまなし産業立地コミッション」ウェブサイト

 地図では県境の表示がされ、最高峰の剣ヶ峰(富士山と注記がされている位置です)は明らかに静岡県側となっています。国土地理院の地図は昔から県境が表示されていませんし、最新の電子地図の地理院地図でも表示されていないのに、なぜ民間の地図がそのようになっているのか不思議です。ちなみにヤフーの地図は、県境が入っていません。国土地理院の地図を参考にしているのだと思いました。(M)


(参照)富士山周辺のヤフー地図



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