2014年06月18日

富士山頂は静岡県?未確定の県境に「住所」

6月1日の朝日新聞朝刊では、このタイトルで社会面に載っていました。もちろん富士山頂は県境未確定で、今でも国土地理院の地図では県境は入っていませんが、国土地理院のネット地図(地理院地図)で、国内最高地点の剣ヶ峰は静岡県富士宮市と表示されることが、富士山研究で知られる明治大学非常勤講師である田代博さんが気付いた、と報じられました。田代先生は(一財)日本地図センター等が主催して行っている「地図地理検定」の検定委員長でもあります。

早速地理院地図で住所表示をさせると、下図のように静岡県富士宮市山宮と表示されました。

富士山頂1


 県境は、東側は小富士のところまでで、西側は剣ヶ峰付近までしか記入されていません。しかし、“静岡県富士宮市山宮”と表示されていました。国土地理院情報普及課によると、この表示機能帰属が未確定の地点は、近くの帰属が決まっている場所が表示され、「富士山の県境が確定したわけではない」と強調する、と掲載されていました。そのあと、山梨県富士山保全推進課も便宜的にどちらかの住所が示されても支障はない、と話していることも載っていました。

 6月4日の朝日新聞朝刊の社会面に、今度は山梨県知事の発言として、『富士山頂の“住所”表示「誤解を与える」』というタイトルで、3日の記者会見で、山梨県知事が「不適切」と語り、国土地理院に是正を求める考えを明らかにした、ことが載っていました。静岡県知事と山梨県知事は、昨年世界文化遺産に登録されたのを機に、今年1月山頂付近の5劼聾境を定めずに富士山の保全に協力していくことを明言していたことも載っていました。

 6月6日の同じく朝日新聞朝刊の社会面に、『富士山頂住所表示を停止』とのタイトルで、国土地理院はこの付近の住所を表示する機能を停止させたことがわかった、ことが載っていました。「富士山は特別な存在で国民の関心も高く、放置するのは適切でないと判断した」と説明したとも載っていました。

富士山頂2

6月4日以降、上記のような表示、すなわち剣ヶ峰付近は住所が表示されていなく、その下に“(付近の住所。正確な所属を示すとは限らない。)”が加わっています。この地区以外では、住所が今まで通り出るほか、( )書きの部分が加わることになっています。( )書きを入れるのは正確さを期すためでしょうけれども、永年地図に携わってきた私にとっては違和感があります。地理院の企画調査課長は、山梨県や関係自治体の意見を聞きながら、今後の対応を検討するという、とも載っていましたので、暫定的な処置だと思っています。まだ県境だから話し合いができますが、・・・・・。(M)

 



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