2014年03月05日
あれから3年、地殻変動はなおも続いている!
もうすぐ、あの未曾有の災害をもたらした「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」(3月11日14時46分頃)から3年目がやってきます。
国土地理院は、地震直後、全国の広い範囲に配置している電子基準点(GPS連続観測点)の観測データから、地殻変動を発表し、牡鹿半島が東南東方向に約5.3m移動し、約1.2mの沈下があったことを報道しました。
更に、これは、東北から関東にかけての太平洋側が東西に広がり、日本の面積が約0.93km2拡大したこと、つまり、この拡大した面積は、東京都庁と青森県庁を直線で結んだ約580kmを縦に、東西方向の幅1.6mを横とする細長い長方形の面積の増加分に相当するとも公表しました。これは、昨年我が国が、1年間に埋め立てをして増加した面積の約半分に相当します。
電子基準点のデータは、ほとんどの観測点で1秒毎に取得され、キネマチィック解析で条件が良ければ数cmの精度で地殻変動を捉えることも可能になってきました。この1秒毎のデータから、地震時の詳細な地殻変動が分かってきました。
それは、3月11日の震源に一番近い牡鹿半島周辺では、東向きの地殻変動が1.5m程度にまで成長した後、20秒ほど停滞し、その後の約40秒で5mを超える地殻変動に至ったことを記録していたのでした。このすさまじい地殻の変動は、目にすることは出来ませんでしたが、時間的な経過とともに地表面が大規模に移動する様子を目の当たりにする思いにさせられます。この詳細は国土地理院のホームページ(http://www.gsi.go.jp/cais/chikakuhendo40010.html)において動画で見ることができます。
また、最近の国土地理院の報告を見ると、地震直後から、3年を経た現在でも月に1cm程地殻変動は続いており、牡鹿半島付近での水平の変動量(図1)は、地震時に変動した方向へ、累計で95.1cmも移動しています。また、垂直の変動量は32cmの隆起(図2)を示していますが、地震時の沈下量(約1.2m)に対して、その量まで復元するには至っていないことが分かります。
大規模な地震災害により、被災者の計り知れない大きな傷跡とともに、この地殻の変動が静穏になり、傷跡の癒される日が一日でも早く訪れることを願っています。