2013年11月12日

アメリカのハイウェーマップの終焉(しゅうえん)

 アメリカでは、旅行者の利便を図ったり旅行計画の立案に役立つように、州政府の道路管理担当部門(Department of Transportation,以下 DOT)が州全体のハイウェー網が一覧できるような小縮尺の紙地図を印刷していたようですが、その印刷部数がかなり減少しているようです。

米国の雑誌、エスクワイアーのブログ

http://www.esquire.com/blogs/news/lament-for-the-highway-map

 が、50の州のDOTに紙地図のハイウェーマップの印刷について非公式に尋ねたところ、約半数から回答があり、例えば「在庫が多数ある」(テネシー州DOT)、「部数を減らして35万ドルの節税効果につながった」(ミズーリ州DOT)、「8月の州の行事で無料配布しているが、配布部数は低下し続けている」(ミネソタ州DOT)、「2008年以降、印刷サービスを止めたからといって、特段の苦情は受けていない」(ワシントン州DOT)など、その印刷にかなり消極的な結果が示されたといいます。似たような傾向はアメリカ自動車協会(AAA)や地図販売のランド・マクナリ―社でもみられ、AAAによれば、ドライバーの旅行計画に資するための紙地図やアプリケーションソフトについては、現地の不案内を心配するドライバーになお、好まれているといいます。また、ランド・マクナリ―社は、Web地図やアプリケーションソフトに影響を受けて、街区地図についてはかなり需要が落ちていますが、州レベルの小縮尺地図については、需要は落ちているものの、街区地図ほどではないといっています。

 シカゴ、ニューベリー図書館の古地図センター長のジェームズ・エイカーマンによると、20世紀には、州政府のみならず、石油会社、自動車クラブ、その他さまざまな組織が何10億枚という地図を印刷して、ドライバーに自動車旅行を促していたといいます。また、エイカーマンは、黄金期にあったハイウェーマップについて、単に行き方を示したものではなく、国全体を一覧することについて人々がどのように思っていたかを示すものだったと語っています。こうしたかつてのハイウェーマップは、古地図マニアからは1枚300ドルを下らない値をつけられるものもあるといいます。

 事情はどの国も同じようですね。



jmcblog at 19:46 
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