2013年10月25日

2万5千分1地形図のリニューアル(1)

国土地理院では、長年にわたって親しまれてきた3色刷りの2万5千分1地形図を、およそ50年ぶりに一新し、今後数年をかけて多色刷りの地図へ変えていきます。その第一弾として、11月1日に下図に示す10面が刊行されますので、この「地図の散歩道」で、新しい地図の特徴などを3回に分けて解説します。

刊行図

今回はその初回として、新しい地図はどこが変わったのかについて解説します。

 新しい地形図は、昨年8月30日から刊行を始めたデジタルデータの「電子地形図25000」とほぼ同等の内容で、都市部では2千5百分1の地図に相当する詳細な情報が盛り込まれています。また、これら詳細な情報を見やすく表現するため、これまでの3色刷り(黒、茶、青)から、多彩な色を使った多色刷りにしています。
 

地形表現では、等高線の他に緑色の陰影をつけて、立体感をより分かりやすくしています。黒色は、注記や建物記号、植生記号、道路など多くの表現で使われているため、建物については他の記号と区別できるように、従来の黒から橙色に変えています。また、従来は高速道路と国道だけを茶色に着色していましたが、新図では高速道路を緑、国道を赤、都道府県道を黄色にして、道路の区分を分かりやすくしています。さらに、国道番号は道路標識と同様に青色の逆おにぎり型に数字を白抜きにしています。路線名、駅名、橋名、トンネル名など、道路や鉄道に関係する注記は緑色にしています。


新しい地形図は、1枚330円(消費税込)で地図販売書店等から購入できます。今後毎月新刊が刊行され、数年で全国の地形図が新しい多色刷り地図に置き換わっていく予定です。実物をお手に取って頂き、感想などを地図センター宛にお寄せいただければ幸いです。

下の図は、試作された「高知」の一部と今回刊行される「奥多摩湖」の一部で、上が従来の3色刷り、下が新しい多色刷りの例です。

多彩な色表現で分かりやすくしていますが、特に都市部では盛り込まれる情報量が従来の地形図より相当多くなっているため、若くないと読むのが少しつらいかも知れません。


旧1旧2
従来の2万5千分1地形図(3色刷)
(クリックすると拡大図)

新1新2
新しい25千分1地形図(多色刷)

(クリックすると拡大図)



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