2013年09月27日

20年ごとのお引越し−神宮式年遷宮−

三重県の伊勢にある伊勢神宮。今年は20年に一度の式年遷宮の年にあたります。今回で第62回を数え、第1回目は持統天皇4年、西暦にすると640年のことで、中絶した時期はあるものの1300年以上の長きにわたって続けられてきた神事です。『20年に1度の大祭、神宮式年遷宮(じんぐうしきねんせんぐう)は、正殿(しょうでん)を始め御垣内(みかきうち)のお建物全てを新造し、さらに殿内の御装束(おしょうぞく)や神宝(しんぽう)を新調して、神儀(御神体)を新宮へお遷し申し上げる、我が国で最も重要なお祭りのひとつ』と伊勢神宮のサイトでは説明されています。宗教的な詳しい説明は専門家に委ねるとして、20年ごとに新しい建物を造って神様に引っ越していただくと簡単に解釈してもバチは当たらないでしょう。

 伊勢神宮(“伊勢は付けずに「神宮」が正式名称)は、宇治の五十鈴川の川上にある皇大神宮(こうたいじんぐう・内宮)と山田原にある豊受大神宮(とようけだいじんぐう・外宮)を中心に構成された125の宮社の総称ですが、お引越しするのはその全てではなく、中心施設である正宮(しょうぐう)のみです。その正宮、どこに引っ越すかというと、正宮の隣に新御敷地(しんみしきち)と呼ばれる同じ広さの敷地が用意されていて、20年ごとに東西2ヶ所の敷地を交互に行ったり来たりしています。
  
 岼棒」S47修正測量 ◆岼棒」S52修正測量 「伊勢」H5部分修正測量

 直近3回の正宮の位置を旧版地形図で見てみましょう。
 左25千分1「伊勢」の昭和47年修正測量です。この時は東側の敷地に正宮が置かれています。昭和28年の第59回遷宮によって造営された正宮です。中は同じ図郭の昭和52年修正測量。が作成された翌年(昭和48)に行われた第60回遷宮後に作成されており、この時は西側の敷地に正宮が築かれ、東側の敷地は空き地の表示です。さらに右は、平成5年部分修正測量です。部分修正の部分について地形図には高速道路等を修正したと記載してはいますが、この年に第61回遷宮が挙行されており、それを踏まえて新しい位置(東側)に修正しています。今年遷宮が行われたのちは、地形図が修正される際には西側に正宮が描かれることでしょう。内宮の地形図だけを記載しましたが、もちろん外宮も20年ごとに東西に正宮の位置が修正されています。

今年が20年に一度の年とはいえ、神様がお遷りになるのが今年というだけで、このお祭り自体は前回行われた20年前からさまざまな儀式を重ねて大祭に至っており、今年の引越しが終われば、また次の20年後の遷宮に向けて準備が行われ、またその次の‥‥。こんなに長く続けられてきたことを想うと、神様の力にはそれを支え、伝え、守ってきた多くの人々の想いがこめられていることを感じずにはいられません。



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