2013年06月05日

環境の日 〜地図で考えるエコ

cover489 6月5日は、世界環境デー(環境の日)。そして、地図中心489号(2013年5月号)の特集は「地図で考えるエコ」です。

 1972年の同日から16日にかけて、スウェーデンの首都ストックホルムで開催された国連人間環境会議は、「かけがえのない地球*」を共通スローガンとして催されました。この、環境に関する初めての国際会議では、「人間環境宣言*」「環境国際行動計画」が採択され、これらを実施する国際機関として国連環境計画(UNEP*,本部はケニア・ナイロビ市)が、同年の国連総会で設置されました。

 人間環境宣言は、人間社会が依って立つ環境の保全と向上に関し、世界の人々を励まし導くため共通の見解と原則が定められています。このストックホルム会議は、ほぼ同時期に民間のシンクタンク・ローマクラブが刊行した『成長の限界』(1972)*とともに地球環境問題への取り組みの発端となりました。しかし、その解決方策をめぐって先進国と開発途上国との立場の違いがあきらとかなり、いわゆる「南北問題」の始まりでもありました。

 国連主導の環境に関する大規模な国際会議は、ほぼ10年毎のペースで開催されています。1982年には、UNEP管理理事会特別会合が、本部があるケニアの首都ナイロビで催されました。1992年には、環境と開発に関する国際連合会議がブラジルのリオディジャネイロで催され(通称「地球サミット」)、地球環境問題への行動計画「アジェンダ21(Agenda 21)」が採択されました。1997年には、京都で催された第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)で、温室効果ガス排出の削減目標に言及した「京都議定書」*が採択されました。2002年は地球サミット10周年にあたり、持続可能な開発に関する世界首脳会議(「第2回地球サミット」「リオ+10会議」)が南アフリカのヨハネスブルクで、2012年には20周年として、初回と同じリオディジャネイロで国連持続可能な開発会議(「リオ+20会議」)が催され、アジェンダ21の実施状況などが評価されました。

 去る4月12日の記事「地球は青かった」で言及した「地球地図」は、1992年採択のアジェンダ21を受けて、同年に建設省(現・国土交通省)と国土地理院が、各国の国家地図作成機関に呼びかけて始まったプロジェクトです。地球地図とは、
   ・地球の全陸域をカバーし、
   ・統一された仕様で、
   ・誰にでも安価に提供される、
解像度1kmのデジタル形式の地理空間情報です(地球地図3つの原則)。
 日本の国土地理院内に事務局があるこのプロジェクトには、2013年3月時点で166ヵ国/16地域が参加しています。2012年のリオ+20会議で採択された成果文書には、地球地図の重要性が記されています。

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  地球地図 / 植生(樹木被覆率)

*
 「かけがえのない地球」 "Only One Earth"
 国連環境計画  United Nations Environment Programme (UNEP)
 『成長の限界』  "Limits of Growth"                               

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