2013年05月16日
完売御礼〜地図中心488号
今年2013年は、奈良時代の元明天皇の詔により風土記の編纂が命じられた713(和銅6)年から1300年にあたります。大宝律令(701)が施行され、日本という国号とともに古代統一国家が実現しました。このことを受け、地方統治の指針に用いるための官撰の地誌が、各令制国の国庁により編纂され朝廷に提出されました。
現存している写本は5つで、そのひとつが『常陸国風土記』です。茨城県高萩市では、去る5月3, 4日に、勅撰1300年記念事業として風土記祭「日本ふしぎ発見!まほろばの旅」が催されました。高萩市付近は、当時の常陸国の北縁、つまり律令制が及んでいた古代国家の北のフロンティアにあたりました。
高萩市は、江戸時代中期の地理学者・長久保赤水(1717〜1801)の出身地です。『天地明察』で知られる渋川春海門下の天文学者に指導を受け、『水戸黄門』でおなじみの水戸光圀が編纂した『大日本史』のうち地理志の執筆も担当しました。
長久保が出版した『日本輿地路程全図』『改正日本輿地路程全図』『地球万国山海輿地全図説』『大清広輿図』は、実測図ではないものの関連資料から編集した優れた地図で、後の伊能図と異なり一般に広く普及したということです。
『地図中心』488号(2013年5月号)では、高萩市の記念祭関係の方々のご協力により、特集「高萩〜常陸国風土記勅撰1300年〜」を組みました。同号は高萩市役所のWebサイトでご紹介いただくとともに、記念祭会場でも販売されました。おかげさまで、本号は在庫僅少となっております。通信販売で受け付けてはおりますが、ご注文いただいた方々にはしばらくお待ちいただいている状況です。
本号の編集にご協力いただいた高萩市のみなさまに、感謝申し上げます。