2013年03月19日

鉄道の相互乗り入れと電子地形図〈国内篇〉

  電子地形図25000をご存じでしょうか?電子国土基本図(地図情報)を基にした従来の地形図に近い地図画像を、利用者が図郭や一部の地図記号を選択して入手出来る、いわばセミオーダー地図です。送電線や植生界など現地では目立つ地物の選択表示、等高線などの色表現、道路・鉄道記号の種類や適用範囲などのオーダー事項に入っています。

DJ-IMAGE
 ↑ 国土地理院のサイトです。

 東急東横線と東京メトロ副都心線との相互直通運転が始まりました。幸い、大きな混乱や事故もないようで、何よりです。
cover486 東京周辺の鉄道網は、世界でも希にみる需要の大きさもさることながら、主要線区が多数の鉄道会社からなり、それら相互直通(あるいは一方的な直通)で成り立っていることもに特徴があります。これは、1955(昭和30)年に当時の運輸省が都市交通審議会の答申を得て、郊外の国鉄線・私鉄線と地下鉄線との相互直通運転により都心に直通する高速鉄道網を整備する、という政策が進められた結果です。答申は数次にわたって改訂され、13の路線から構成される「東京都市高速鉄道網」のうち10の路線で相互直通運転が行われています。
 東京以外にも、名古屋、大阪圏でも同様の基本計画があり、また福岡や仙台では、相互直通運転によって空港に直通する鉄道路線が整備されています。これら大都市圏ではICカードも普及し、乗客は事業主体の違いをあまり気にすることなく鉄道を利用しています。

 一方、いわゆる「国鉄再建法」や整備新幹線の「並行在来線」対策により、地方幹線クラスの第三セクター鉄道が増えてきました。それらの路線では最寄りの拠点駅へ直通するための直通運転や線路の共用も行われています。また、地域に根を降ろして発展してきた在来私鉄では、主要路線を残して閑散路線からの撤退が進みつつあります。結果として地方では、新幹線は別格として、主要路線が第三セクターか私鉄、ローカル線がJR直営、という状況も現れてきており、かつての「国鉄>私鉄」のような事業主体による階層性は崩れ去っています。

 日本の地形図における鉄道記号は、未だに「JR線」「JR線以外」と、線路規格(地物としての存在感)ではなく事業主体による区分という、世界的に見てめずらしい図式となっています。その前身となった「国鉄」「私鉄」の地図記号の差が著しくなったのは第二次大戦後、それも1960年代以降です。しかし現状では、歴史的経緯以外に根拠はなく、利用実感としても上記のとおりです。線路共用区間の表現には図化現場の苦労も忍ばれ、結果として場所毎の適用基準が不統一になっています。

Dazaifu

 電子地形図25000(オンデマンド版)のサイトから、鉄道を「私鉄」記号に統一すると選択して、福岡県太宰府市付近の地図画像を試しにオーダーしてみました。鉄道の表現法に最初は違和感もありますが、先入観に囚われず虚心坦懐に眺めれば、これが本来の姿に思えてきます。

 今のところ地図画像の提供地域が限られれていますが、年内には全国の地図画像が入手できるようになります。好みの場所を好みの地図記号で表現した、貴方だけの地図画像を作ってみてはいかがでしょう。


Home_N
gsionline



記事検索