2012年11月28日

地球は丸いか?

 地図を作るために測量するとき、地球の大きさと形が分からなければ位置を決めたり、高さを決めたりすることができません。この地球の大きさと形は測量法という法律で決められています。2001(平成13)年、第151回国会で測量法が改正され、わが国は明治以来100年以上使用してきたベッセル楕円体からGRS80で定義された楕円体数値に変更されました。
〈⇒ 地球楕円体について国土地理院による解説
ellipsoid

 地球は実際どんな形をしているのでしょうか。「地球はまるい」ことは今では誰でも知っています。そもそも「地球」という名もその形が丸いからつけられたものです。しかし実際には山も海もあって、正しい球形とはいえません。そこでこの「丸さ」がどの程度なのかを考えてみましょう。

 山で一番高いのはエベレスト山で、海面から測って8,848mです。また、海底で一番深いところは西太平洋のマリアナ海溝で、海面下11,034mです。そうすると最高から最低までの差は19,882m、約20kmです。20kmというと大きいようですが、陸上の道だったら、その気になれば1日で歩ける距離です。地球の半径6,370kmにくらべ300分の1以下にすぎません。地球上の山や海による凸凹の差は、全部この範囲内に入ってしまいます。

 次に、地球の「つぶれ」の程度を考えてみましょう。地球の中心から北極(または南極)まで測った半径を極半径、赤道まで測った半径を赤道半径といいます。地球は少しつぶれていて、極半径は赤道半径よりも少し短いのです。その違いは21,385m、すなわち約20kmで地球半径の約300分の1です。

 つまり、地球は山や海による凸凹も、南北方向のつぶれ(扁平度)も、大体20kmぐらいの程度、地球半径の300分の1に収まる程度なのです。
 さて、太さが0.2mmの線でソフトボールの球と同じ大きさの直径9.7cmの円を書いてみましょう。もし、地球をこの大きさに縮めたとすると、山や海によるでこぼこも南北方向のつぶれも0.2mmの線の太さの中に入ってしまいます。地球は思いの他、丸いものなのですね。 (script by jmchako)

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