2012年10月26日
地図のある授業風景
日本列島全域が表示された地図としては、国土地理院が刊行している500万分1 日本とその周辺がよく知られています。首都東京を中心とした正距方位図法の地図で、もちろん北が上になった、まさに日本全図の王道をいく地図です。一方、地図センターが販売している地図類のなかには、逆さ日本地図「東アジア交流地図」や北海道を中心とした日本全図のように、北が上でなく投影中心も首都ではない、ちょっと変わった日本地図もあります。
地図中心10月号(通巻481号)の表紙には、立命館慶祥中学校高等学校の加藤敦史さんが制作された、沖縄県那覇市を中心に投影した正距方位図法の日本地図の一部を掲げました。投影中心からの同心円も描かれており、これをみると那覇市からは、大阪よしも上海や台北が近く、東京よりもソウルやマニラが近いことがわかります。
学校の授業で地図帳に親しむことが先ず重要ですが、同じような地図を見続けることにより、地理空間認識が固定化されてしまうこともあります。時には視点を変えた地図を眺めてみるのも必要でしょう。
特集「地図のある授業風景〜地図教育の新たな可能性を求めて〜」は、加藤さんの投稿をきっかけに企画しました。加藤さんはじめ10名の現役の教師の方々に、地図を使った教育の実際についてレポートしていただきました。