2012年08月24日

ピリカノカ室蘭

 いま発売中の『地図中心』8月号(通巻479号)の特集は「ピリカノカ室蘭」です。cover479
 今年2012(平成24)年、室蘭港は開港140年、室蘭市は市制施行90年を迎えました。室蘭というと重工業港湾都市のイメージが強く、戦前・戦時中は室蘭付近の地形図は軍事機密でした。
 一方、室蘭港を太平洋の荒波から守る絵鞆半島は新第三紀の火山岩からできており、その太平洋側は切り立った断崖が卓越し、人工改変の進んだ室蘭港側とは対照的な景勝地です。今年1月に「ピリカノカ(アイヌ語で「美しい形」の意」)で国の史跡名勝に指定されました。
 このような室蘭の魅力について、本誌2008年8月号(通巻431号)から2011年8月号(通巻467号)にかけて計36回にわたり好評連載された「地図は語る」シリーズの著者としてお馴染みの、島田英常さんの全面的なご協力をいただき、旧版地図や現地景観の写真を多数用いた特集号となりました。熱心にアドバイスいただいた島田さんには感謝申し上げます。

 室蘭のランドマークといえば、測量山(199m)が知られています。1872(明治5)年に、札幌本道(函館〜森〜(海路)〜室蘭〜札幌)を築造するとき、お雇い外国人技師が登頂して測量を行ったことにちなむ山名です。アイヌ語では「ホシケサンペ」といい、船で外洋から近づくとき、最初に見えてくる陸地、という意味だそうです。
Map_Muroran

☆ 『地図中心』の読者のみなさまに、479号の発売日が通常月より遅れましたことをお詫び申しあげます。

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