2011年05月20日
『見にウォーク1 』のご案内
新緑の時期になり、ウォーキングに最適な季節が訪れました。そこで今回は、短時間で歩けてNHK大河ドラマの今年の主人公「江」(「江姫」)が眠る増上寺 (東京港区)を中心に回る『見にウォーク』と称して「地図の散歩道」でご紹介します。
*都営大江戸線大門駅〜大門〜三解脱門(三門)〜増上寺(徳川将軍家霊廟)・貞恭庵〜東京タワー(「江」展)
【歩行距離】3.2Km 【歩行時間】約2時間
NHK大河ドラマ「龍馬伝」はかなり盛り上がりましたが、それに続く「江〜姫たちの戦国〜」も好調なスタートをきりました。 男性中心の戦国の世を生き抜き、平和で安定した江戸時代の始まりに影で貢献した強くしなやかな女性「江」にあやかろうと放送開始以来多くの女性参拝客が訪れているようです。
はじめに「江」が夫 ・秀忠公と一緒に眠る増上寺をめざします。都営地下鉄大江戸線大門駅 (A6) 出口を目指して歩いていると、1904(明治37)年の東京の巨大パノラマ写真が壁に掲示されています。地上に出るとそこは大門通り。浄土宗大本山増上寺の総門・表門にあたり、地名の由来になっている大門をくぐります。
*明治37年の東京増上寺近辺(1904年)
*この大門は増上寺の総門ですが、昭和12年に造られた比較的新しい建造
その先約200m(108間)には、国の重要文化財である三門がどっしりと構えています。増上寺の表の顔として、東京都内有数の古い建造物であり東日本最大級を誇るこの門は、浄土宗大本山の中門にあたり、正式名称を三解脱門といいます。この門は三つの煩悩「むさぼり・いかり・おろかさ」を解脱する門ということになります。門をくぐると何となく身を清められた感じがします。
*三門(三解脱門)
*【増上寺と東京タワー】 お江戸と東京がマッチングした不思議な写真スポット
増上寺は1393年(明徳4年)に開かれ「江」の義父である徳川家康の帰依をきっかけに、徳川家の菩提寺に選ばれ発展し、徳川将軍6名と将軍らの正室たちも眠っています。本殿の右側に回ってその徳川将軍家霊廟を目指します。霊廟には荘厳な鋳抜門 (葵紋) が配され、昇り龍と下り龍が鋳抜かれています。思わず歴史の重みに圧倒され言葉にいい表せない印象がしました。墓所の一般公開は年に数回ですが、今年は4月15日(金)〜11月30日(水)まで特別公開されます。拝観料は500円で記念品として絵葉書がつきます。時間は10時〜16時までです。
徳川将軍家霊廟に向かって左へ進み、増上寺本堂の裏手に抜ける途中左奥に、「貞恭庵」があります。和宮(十四代家茂公正室)ゆかりの茶室です。この貞恭庵は、茶室としてはめずらしい雨戸のある茶室です。これはお客様を迎える茶室としてだけではなく、生活をしていた場でもあるそうです。
茶室「貞恭庵」で抹茶と和菓子いかがでしょうか?
【開催日】5月22日(日)、6月26日(日) 【時間】10時〜16時
【場所】貞恭庵(会費1,000円)
そして最後に向かうは、東京タワーです。この地は、二代将軍・秀忠公が江戸城から楓を移植し、お江のために紅葉山を築いた場所と言われています。3階特設会場では平成23年2月26日(土)〜12月25日(日)10時〜20時30分まで、波乱万丈の人生を歩んだヒロイン「お江」をテーマに東京タワー 「江」 展が好評開催中です。展示は無料・有料ゾーンに分かれており、無料ゾーンでは大奥・御鈴廊下が再現されており、思わず撮影してきました。また、隣のお土産コーナーには、お江にまつわるグッズがたくさんあり一番の売れ筋の「お江」のれん(ピンク)を教えて頂きました。
現在は東京タワーが建ち、江と秀忠の時代に紅葉山が築かれたこの場所は、地形学的にみると、温暖化で海水面が今より少し高かった縄文時代には海に突き出した岬でした。思想家・哲学者である中沢新一氏の著書『アースダイバー』(2005)によると、ここは縄文時代から現世と幽冥界とを繋ぐ聖地であり、死者の霊があの世に還っていく場所ともされていたそうです。東京タワーは、それを計画し建設したひとびとが必ずしも意図せずに造りあげた、天と地とを結ぶ架け橋の象徴ということなのでしょう。
この芝増上寺から東京タワーにかけてのエリアは、都心なのに緑も多く、この時期の散策には最適です。江を通して江戸の始まりに想いを馳せ、さらに縄文の昔まで見通すこともできるこの場所は、もしかすると東京最強のパワースポットなのかもしれません。
*大奥・御鈴廊下
*「お江」のれん(ピンク)1,575円(税込)
*東京タワー「江」展の詳細は、下記Webサイトをご覧ください。
http://www.tokyotower.co.jp/cgi-bin/reg/01_new/reg.cgi?mode=1&no=1438
地図センターHOMEへ