2011年04月22日
『東北地方太平洋沖地震/東日本大震災 (1) 』
2011(平成23)年3月11日14時46分頃、三陸沖(北緯38.1度、東経142.9度、牡鹿半島の東南東130km付近)の深さ24kmを震源とするモーメントマグニチュード(Mw)9.0 の巨大地震が発生しました。
この地震により宮城県北部の震度7をはじめ、東北地方から関東地方にかけての広い地域が強い地震動に見舞われ、さらに同地域太平洋沿岸を中心に、最大波高9.3m 以上(相馬市)・最大遡上高約39m(宮古市)の大きな津波が来襲しました。気象庁はこの地震を「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」と、また英語名として「The 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake」と命名しました。
政府の緊急災害対策本部の4月17日付け資料によると、この地震・津波による人的被害は、死者13,756名、行方不明14,141名、負傷者4,928名、建築物被害は、全壊58,384戸、半壊16,344戸、一部損壊182,337戸、避難者136,470名という甚大なものとなっています。これに加えて、東京電力福島第一原子力発電所では、地震時に自動停止したものの、地震動や津波による電源喪失で炉心冷却機能が失われ、懸命な防護活動により数量は低下しつつも、放射性物質の拡散が続いています。さらに生産拠点や発電所の被災により、直接的な被災地以外でも、産業や日常生活への影響もでてきています。
政府は4月1日の持ち回り閣議で、東北地方太平洋沖地震と津波およびこれに伴う原子力発電所事故による災害について、「東日本大震災」と呼称することと決定し、対策組織等の名称に用いることになりました。
顕著な被害地震では、自然現象としての地震とそれによって社会が 被った災害(震災)と、それぞれに固有名が付けられ、両者は区別して扱われます。関東大地震と関東大震災(1923年)、兵庫県南部地震と阪神・淡路大震災(1995年)などがこれまでの例です。
東北地方太平洋沖地震のMw9.0という規模は、兵庫県南部地震(M7.3)の数百倍にあたります。これほどの規模になると個々の余震の規模も大きく、単独で起きても「大地震」とされるM7クラスの余震がいくつも起きています。
緊急災害対策本部が毎日公表している人的被害数と建物被害数も、本震発生から1ヶ月以上経過した現在も増え続けています。この災害の規模が空間的に大きいだけでなく時間的にも大きく、未だ状況把握の段階を脱していないことを物語っています。
このように東北地方太平洋沖地震/東日本大震災では、広大な地域での復旧・復興と並行して余震も含め被害時の初動や状況把握を行うという、長期にまたがる広域で多面的な対策を余儀なくされています。(財)日本地図センターも、地図や地理情報を活用して、震災対策を支援していきたいと思います。
当センターで扱っている、地震・津波に関連する地図類を紹介するWebページを掲載しました。また『地図中心』誌では、本年5月号の特集を急遽「東日本大震災速報」とし、現時点での地震と震災の記録を伝えていくこととしました。
地図中心5月号目次はこちらへ
東日本大震災で被災された方々に謹んでお見舞い申し上げるとともに、救援活動等に携わる方々の安全・無事を願い応援いたします。
「地震・津波に関連する地図類を紹介するWebページ」にhttp://www.jmc.or.jp/other/earthquake110314/index.html/リンクします。