2011年04月01日
『五千分一東京図測量原図』発行
いくつかの内乱を経て明治新政府が安定期に入った明治10年代の、東京中心部の姿を、1軒1軒の家屋や池の形状が華麗な色彩で描いた地図を復刻し、現在と照合できるよう新しい地図を基にした図葉ごとのオーバーレイを付けて大版の冊子にとりまとめました。
五千分一東京図測量原図では、当時の東京市街の広がりや土地利用の様子もわかります。明治維新により街並みは大きく変わりましたが、街道網は幕末の江戸そのままです。帝都防衛のために新政府が鋭意作製したこの地図は、120年以上経た今日、国土地理院に大切に保管されています。本書は、世界に唯一のこの原図を忠実に復刻したものです。
図葉ごとに用意されたオーバーレイを利用すれば、現在との位置関係を照合できます。また、同一地域を対象として、内務省地理局が刊行した「東京実測全図」も収録されています。この地図には地番が表記されていますので、各種の史資料に記録されている事物の位置確認に利用できるほか、文学作品を楽しむためにも大いに参考になるでしょう。
本書は、A3版。構成は、五千分一東京図測量原図が35面、東京実測全図が36面、当センター研究顧問で新宿区文化財保護審議会委員でもある清水靖夫先生による解説(3頁通常の冊子ならば6頁分)が付いています。定価は18,000円+税。(財)日本地図センターの地図の店(東京都目黒区)はじめ、いくつかの地図販売店で購入できます。
東京の街探検には欠かせない一冊です。
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