2011年02月04日
『地図地理検定』
レギュラー登場人物のひとりが地図大好きな刑事、という設定の最近はじまったテレビドラマがあります。彼女は「地図力博士」も取得しているということなので、(財)日本地図センターが実施してきた地図力検定試験を受け最高レベルの成績を収めたのでしょう。
地図力検定試験は、地図の知識を豊かにし、地図を楽しく読み・使う力を養うことを目的とし、2004(平成16)年10月に第一回から概ね年に2回程度のペースで実施してきました。昨年は6月に第13回試験、そして11月には第14回試験を行いましたが、この回から名称が微妙に変わっていることに気づかれた読者も多いのではないでしょうか。
これまで地図力検定試験は(財)日本地図センターが主催していましたが、第14回試験から(財)国土地理協会に加わっていただき、両法人の共催で実施することになり、名称も「地図地理検定」と改めました。主催者や名称変更を機会に、試験問題に地図だけでなく地理や地名に関する事項を増やしました。また、試験問題が難しすぎるという指摘も多かったので、地図や地名についての一般的な知識を問う「地図地理検定(一般)」と、実務経験者、専攻・研究・指導者、あるいは趣味として深く関わっている方々向けの「地図地理検定(専門)」の2段階に分けました。
情報技術と測位技術の発達と融合によって、これまで地図表現とは馴染みのなかった情報も含め、位置に関わるデータを併せ持つことによって、世の中に在るあらゆる情報を地図のように扱うことが可能となってきました。
このように情報機器で扱う情報はコンピュータが扱いやすい仕様にして、人間には分析結果だけを文字や音声で知らせればよいと言うひともいます。しかし、最近の携帯端末を使った情報検索では、地図を媒介とする検索が7割以上を占めているというデータもあります。ひとが端末の小さな画面に表示された地図を目で見て操作するのですから、記号を含めた地図表現の工夫は不可欠あり、その基になる紙などに印刷された地図の重要性はますます高まっています。
地図地理検定は誰でも受験できます。受験資格は問いません。この検定により、地図・地理に関する知識・レベルが判定できますから、個人だけでなく教育活動にも活用できます。(一般)試験で高得点のひとは「合格」を、(専門試験)で高得点のひとは高い順から「地図地理力1〜3級」を、最高クラスの特典のひとは「地図力博士」改め「地図地理力博士」を認定します。詳しくは当センターのWebサイトをご覧下さい。3月下旬までには申し込み用紙付のリーフレットの配布も開始します。
写真:立正大学熊谷キャンパスでの受験風景.立正大学の地理学教室では、初年次学生を対象とした必修科目に地図地理検定を導入し、受験していただきました。