2010年11月26日

『地勢図片手に鉄道の旅』


関西をくるーっと大回りする旅行計画をせっかく立てたので、11月初旬の休日、実際にやってみました。経路図と時刻表、そして、20万分1地勢図を持ち、天王寺駅で120円切符を買っていざ出発!

05 第3回天王寺出発・1


 

朝陽のまぶしい中、まずは天王寺駅始発の阪和線快速に乗って和歌山を目指します。窓からの景色を眺めつつ、地勢図を手に位置や地物を確認。景色は都市から住宅街、畑へと変わり、関西空港へ向かう線路と分岐すると、電車は山へ向かいます。和泉山脈の谷間を走り、トンネルを抜けると視界が開け、和歌山平野が見渡せます。紀ノ川を渡ると和歌山駅に到着。和歌山線のホームへ行くと奈良行きの2両編成のワンマンカーが待っていました。 各駅停車で紀ノ川に沿って進みます。刈入れの済んだ田んぼの中を走る単線は途中駅で対向車待ち。五條を過ぎると紀ノ川からは離れ、北上します。高田駅からは、今年から「万葉まほろば線」という愛称が付けられた桜井線に乗り入れです。駅に着くとワンマン運転をしていた運転者さんが店じまいして出て行ってしまいました。しばらくすると進行方向が逆転。スイッチバックして奈良に向かいます。歴史や国語の授業で聞いたような地名が続く奈良盆地。大和三山の位置も地勢図で確認。3時間弱の乗車を終え、奈良駅でちょっと一休み。

次は、まず大和路線で加茂駅まで移動。そこへ亀山行きの関西本線がホームにやって来ましたが、明らかに今まで乗って来た電車と違う音‥。後日、それは“電車ではないから”だと知りました。ディーゼルカーは川沿いの植林の中を走り、伊賀、柘植、甲賀など、忍者がこのあたりで修行していたのでは‥と想像が広がります。柘植駅からは草津線で、琵琶湖を目指してトコトコ進みます。もうすぐ草津というあたりで進行方向右手にとてもきれいな形をした山が。地勢図で確認すると三上山という山でした。“近江富士”という別名があるのを後日知って納得。

草津駅から近江塩津行きの快速に乗り換え、しばらくすると車掌さんが切符の確認にやって来ました。天王寺発の120円切符と経路図を見せて説明すると、「天王寺から、こう来て‥、今がここで‥。最後に新今宮ですか‥。 なるほど。」と確認し、驚きもせず、次の人の検札に向かわれました。よくあることなのかな? ちょっとどきどきしましたが、お墨付きをもらったような気分になり、ほっと一安心。田や工場などが広がる近江盆地は、車窓からも空の広さを感じる景色でした。長浜付近でやっと琵琶湖と出会い、紅葉が始まりかけた伊吹山地を眺めているうちに近江塩津駅に到着。ホームで待つこと23分、すぐに姫路行きの新快速がやって来ました。湖西線は車窓から琵琶湖がよく見え、波穏やかなきれいな水面を眺めながら南下。琵琶湖から離れる頃には日も暮れだし、京都駅からはたくさんの乗客で車内が混雑し、旅行気分が薄れていきます。そして、最後の乗換駅大阪駅に到着。ホームいっぱいにお客さんがあふれかえる大阪駅から新今宮駅まであと少し。出発から10時間32分。すっかり暗くなった空にネオンの映える通天閣を望む、新今宮駅にゴール!


06 第3回新今宮到着

24県、466.7営業キロを旅した120円の切符は、自動改札機に何の問題もなく吸い込まれていきました。



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jmcyosh at 10:45 
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