2009年11月06日
地形図はどのようにして作られる(8-1)
国土地理院の2万5千分1の地形図は、国土の姿が同一の基準で作られていますが、 その基準についてご存知でしょうか? 地形図は決められた地球の形をもとに、決められた投影法で経緯線を描き、位置と高さの基準点(三角点と水準点)を平面上にプロットして地図の骨組みが作られます。
(1)地球が 「球体」であることは、皆さんもご存知のことですが、しかし、完全な 「球体」 ではありません。地軸を中心に僅かに膨らんだ扁平な球体(楕円体) です。 地球の形を表す原数値は、ベッセル数値で下図に示すとおりです。また、世界各国がそれぞれの地球楕円体を使用し、それに基づく測量成果や地図が作製されると整合性がとれず不便なので、2002年4月1日から我が国では、測量法を改正しGRS80の値が使われることになりました。この形状は、「GRS80地球楕円体」呼ばれているものです。
◆ベッセルの地球楕円体
長半径(a) 6,377,397.15m
扁平率((a-b)/a) 1/ 299.152813
◆GRS80地球楕円体(新測量法同政令による)
長半径(a) 6,378,137m
扁平率((a-b)/a) 1/ 298.257222101
(2)投影法は、UTM (ユニバーサル横メルカトル図法)図法によって、地形図の1枚1枚の大きさが計算され、区画されています。その形は、厳密には台形ではなく、不等辺四辺形です。
(3)地球上の位置と高さを示す基準点は、日本経緯度原点より測定した三角点と、高さは日本水準原点より測定した水準点です。 ただし、北海道、本州、四国、九州を除く離島の高さは、各島の周辺海域の平均海面を基準面にして測定されています。
●日本経緯度原点: 東京都港区麻布台2-18-1
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●日本水準原点: 東京都千代田区永田町1-1-2
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