2009年11月20日
地形図はどのようにして作られる(8-2)
地図はいろいろな約束ごと、すなわち制約 (図式) によって作られています。国土地理院の地形図は、人や車など、動いているものを表現することはできません。あくまで上空から地表面を垂直に眺めた景観を、正射影した状態で図化表現したものです。
地図は、地図の作製目的や作製する範囲や紙の大きさによって縮尺が決まり、 縮尺によって表現されるものが制約されます。 国土地理院の地形図のように、全国が同一の基準で作られる地図は、地域によって偏った内容にならないよう、細かく図式化 されています。 地形図に表示される基礎的事項は、次の通りです。
(1) 図式の原則は、測量の時点において現存するもので、永続性があるものはすべて表示の対象になります。
(2) 地形図に描き表される対象物は、すべて記号化して描画されますが、対象物はすべて表現されるかというと、そうではありません。地図は「見やすく」、「使いやすく」 するために編集されます。 すなわち、対象物によっては 「省略したり」、 「誇張したり」、「移動したり」して、地形図は作られていますが、その方法は図式によって決められています。
(3) 地名や河川、道路、鉄道などは、原則として現地で使用される名称を採用し、詳細は図式によって決められています。
次回は、地形図の表示対象物は、どのように描画されるか、その概要について記述します。