2009年09月01日
書店は迷路。やっぱり地図が必要か!?
もともと本好きの人にとって、書店は危険地帯と思える場所です。 書店に行くと必ず、いつもの通り新刊 コーナーからお気に入りの作家の棚をまわり、文庫 コーナーを通って雑誌を眺めるいつもの順番。 皆さんもお気に入りの コースがあると思います。 続いて地図&旅行関連 コーナーで地図を見ながら、その場所に行った気になったりします。 それでも地図を見ている間は、現実からの逃避か?妄想か?本当に楽しいものです。もちろん、実際に旅へ行く準備として地図やガイドブックを買うこともあるでしょう。
そんな書店にもちょっとした地図があります。それは、店内案内図です。 百貨店などにもありますが、これは物がどこの位置に配置されているか、またはその売り場に行く道順は、最短の距離はなどを判断する立派な地図の一つではないでしょうか。
その本屋で 「キャンセルされた街の案内」 という小説がたまたま目に留まりました。 なぜかと言うと、装丁に地図が描かれているからです。 地図愛好家の者にとって、つい興味をそそられ思わず手に取りそのままレジに行ってしまいました。 文章よりもまずご覧頂きましょう。
表紙が透明窓付きの封筒になっていて、その窓から地図が見えるデザイン!!
表 紙 カバーを外して広げてみると
どうやら装丁の地図はオリジナルらしく、物語に関係のある場所の注記が入っています。
物語に出てくる場所が!!
全十篇からなる物語でありました。
そこに出てくる地名は、現実の世界にある地名です。表紙の地図は、 どうやらその物語から派生した場所をしるすための地図のようです。 しかし、本を読み進むと文章と地図が一つの因果関係になっているのではありませんか。 現実の地名がでてきて、地図とコラボレーションする効果は、まさに臨場感溢れる物語の世界を堪能することができます。 普段は気にしていない 「各物語の場所」 が地図になっていると不思議な感じになるものです。 これも新たな地図の楽しみ方の一つではないでしょうか。
気になる方は、ぜひ一読を!!
「キャンセルされた街の案内」
吉田修一 著 / 新潮社
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