2009年08月27日

シリーズ測量遺産(2) 日本水準原点標庫


日本水準原点標庫
(東京都千代田区永田町1-1-2

−東京都指定有形文化財(建造物)
          (平成81996)年318日指定)


  わが国の近代的な測量事業は明治初期から始まりました。
当時の高低測量の基準面は、各地の主要河川の河口付近に、主として治水の立場から設置された「量水標」 を用い、干潮位に近い水面を地域毎に決めていました。                             
               明治171884)年参謀本部に測量局が設置され、日本全国に共通した基準で一等水準測量が開始されました。この標高を決める基準点として明治24 1891) 年5月東京三宅坂 (参謀本部敷地内) に水準原点が創設されました。この原点は現存しており、今なお日本全国の標高の基準となっています。
  この建物は、日本最初の建築家と言われる、工部大学校造家学科第一期生4人のうちのひとり、佐立七次郎の作品で、4人の作品のうち現存する最古のものです。標庫は参謀本部陸地測量部の前庭にあたり、 水準原点である水晶板の零目盛 (当時の標高は24.500m、関東大地震後は24.4140m) の原点標を格納するために建設されました。
  建物の意匠は、小品であるが、ローマ神殿の形式を持つ本格的な古典主義建築です。メトーブ(正面上部)には菊の御紋章と大日本帝国の文字が浮き彫りになっています。

       明治24年5月に建設された水準原点標庫
日本水準原点標庫

http://www.gsi.go.jp/kanto/ki8bsuigenten.html

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