2009年09月04日
地図と方位(3)
地図の上方は、なぜ、「北」になるのか。と質問を受けたことがありますが、別に決まりはありません。国土地理院をはじめ国内・外の政府機関が発行する地図の大半は、地図の上方を「北」にしています。しかし、南半球に位置するオーストラリアでは、地図の上方を「南」にした地図もあります。
では、どうして地図の上方を「北」にしたかについては、(1)地図を北極星の方位に対比するのに便利だから、(2)磁石で方位を求めるとき、磁石の針はいつも「北」を指し、地図にあわせるのに都合がよいから等いろいろな説があります。
ところで、北と南を基準にして示す方向を「方位」と呼んでいます。方位には、真方位と磁針方位があり、地図の指す方向は「真方位」、磁石の針の指す方向が「磁針方位」です。真方位と磁針方位には若干のズレがあります。現在は日本では、磁石の針は真方位より西に偏った方向を指します。この真方位と磁針方位とのズレの量は、地域によって、日時を追って変化します。札幌では磁針方位は西偏約9度20分、東京では西偏約6度50分、宮古島では西偏約3度50分です。地形図の図郭外に磁針方位が書かれていますので、地図上で磁石を用いて方位を求める場合には、参考にしてください。
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