2015年02月
2015年02月23日
『文部科学大臣賞』には、北海道の札幌南区川沿少年消防クラブ「南区川沿大雨みまもりたい」(5,6年生10名で結成)の「川沿地区大雨危険マップ」に送られました。これは昨年9月11日に札幌市等を襲った豪雨での避難の体験を盛り込んだ地図でした。地図に等高線を記し、川沿地区の山から川に水が流れていくことがひと目でわかるように、通常は北が上の地図を回転させ、山を上部に、川を下部に配置し、高低差を示した断面図やパノラマ写真を付けて地形を理解しやすくしたそうです。
『防災担当大臣賞』には、福島県相馬市の市立中村第二小学校「かもめ防災探検隊」の「キズナマップ」に送られました。これは2,3年生10名が、東日本大震災から復興する町の姿を地図にまとめたものです。震災当時と今の写真を並べて貼り、復興の状況がひと目でわかるようにしてあります。
『消防庁長官賞』には、愛媛県愛南町立福浦小学校「風の子ダイアモンズ」の「樽見自助・共助マップ」に、これは災害時に体の不自由な人が笛を吹いて救助を求め、「サポーター」が手助けする仕組みを落とし込んだものです。
『まちのぼうさいキッズ賞』には、沖縄県糸満がじゅまる児童センター「イチマンがじゅまるチーム」の「がじゅまる安全マップ」に、これは放課後通う児童センターまでの300mほどの道の安全、危険な場所をまとめたものです。
『気象庁長官賞』には、茨城県鹿嶋市立平井小学校の「平井っ子防災探検隊」の「よりはやく高台ににげようマップ」に、これは3人の自宅から避難所までの目印等を書き込んだものです。
その他日本損害保険代理業協会賞は、ガールスカウト千葉県第3団の「三番瀬防災安全マップ」に、朝日新聞社賞に三重県鳥羽市安楽島子供会の「安楽島ぼうさいMAP」に、日本災害救援ボランティアネットワーク賞には、ガールスカウト神奈川県第53団の「坂の多いまち歩いてみたら」に、日本損害保険協会賞には、石川県かほく市子ども会宇ノ気支部の「安全安心な内日角を作ろう」に送られました。さらに8校・団体の作品に、審査員特別賞が贈られました。
今回は水害や豪雨をテーマにした作品が目立ったとのことで、入選作品は実際に役立つ内容になっているのが特徴だそうです。このように地図が身近なものとして役立つことが、子供たちにより理解されていくことが期待された取り組みだと思います。なお表彰式は3月15日仙台市で行われます。
受賞作品の詳細についてはこちら。
(M)
2015年02月13日
静岡県熱海市の市の旗に、温泉の地図記号に似た図柄が使われています。ほとんどの市町村の旗が、その市の漢字や読み方をモチーフにしているので、ユニークな旗となっています。
熱海市は言うまでもなく「温泉」によって成り立っており、「楽天トラベル」調査の「2014年 年間人気温泉ランキング」で1位の町であるので、“なるほど”と思われます。ただ熱海市のホームページには特にこの旗についての説明はありませんでした。それでは2位の別府の市の旗はどうでしょうか。残念ながら別の字をモチーフにした普通の旗となっていて、温泉記号には程遠い図柄です。10位までのうち、6位に位置付けられている草津温泉(群馬県草津町)の町の旗は、温泉記号に似ています。
草津町のホームページでは、“草津(クサツ)を図案化し、全体で豊富な温泉を表し、力強く円に並んだ9つの「サ」が双方から均等な力で支え合い、町民の和と協力で発展する町を表しています。”との説明がありました。温泉記号をモチーフにしたと言えます。
同じ群馬県の磯部温泉には、温泉マーク発祥の地という碑が立っています。
磯部温泉のある安中市のホームページによると、“万治4年(1661)、付近の農民の土地争いに決着を付けるため評決文「上野国碓氷郡上磯部村と中野谷村就野論裁断之覚」が、江戸幕府から出されました。その添付図には磯部温泉を記した温泉マークが2つ描かれていたのです。専門家が調査した結果、この温泉マークは日本で使われた最古のものと判明。こうして磯部温泉は温泉マーク発祥の地となりました。”とありました。
他の地図記号も市の旗等に利用され、多方面で話題となることを期待しています。(M)
2015年02月02日
去る1月15日(木)〜22日(木)、横浜市の大さん橋国際客船ターミナルにて、「第47回地図展 横浜のまち みち みなと」(主催:地図展推進協議会、日本地図センター ほか)が開催されました。
この地図展は、1967(昭和42)年の第1回以降、全国各地で年1回開催しているもので、今回で47回目になります。今回は、1859(安政6)年の横浜港開港以前から現在までの歴史を、地図や空中写真を通して眺めることで、新たな横浜の魅力を感じてもらおうとするものです。
なお、横浜市での開催は1996(平成8)年以来の2度目でした。
今回は床面展示に力が入れられ、江戸、明治初期、後期、大正、昭和初期、戦後、昭和〜平成、現在の8時期について、地形図や空中写真を拡大したものを床に広げて展示しました。また、それぞれの時期ごとに貴重な地図や写真をパネルなどで紹介しました。
このほか、海上保安庁や横浜市の市民団体などを中心として、横浜に関する様々なパネル展示を実施しました。また、地図や横浜の歴史に精通した各方面の講師をお迎えし、セミナーや講演会、トークショーなどを開催しました。
8日間の開催期間中、あいにくの雨模様となる日もありましたが、3,500人を超える方々に足を運んでいただき、盛況のうちに幕を閉じました。お越しいただいた皆さまには、心よりお礼を申し上げます。
日本地図センターでは、今後もこのようなイベントを通じ、地図を活用した地域社会への貢献に取り組んでまいります。