2014年02月
2014年02月27日
地球33番地は、高知県高知市弥生町にある、旧日本測地系の北緯33度33分33秒、東経133度33分33秒の地点の愛称です。その場所は江ノ口川の中でしたので、昭和37年(1962年)5月に高知ロータリークラブが提唱して、川岸に白いモニュメントが建設されました。もう50年以上たっています。平成5年(1993年)には、江ノ口川の中にシンボルが建設されました。こちらももう20年以上たちました。地理院地図では、この位置に記念碑の記号が表示されています。経緯度の表示で同じ数字が12個も並んだ地点は世界に10カ所ほどありますが、ほとんどが砂漠や大平原などの地点であり、通常の手段で行けるのはここだけだそうです。
3にちなんで、平成3年3月3日に「地球33番地」実行委員会が発足し、実行委員会により、毎年3月3日に記念式典が開催されています。その前後にイベントも行っており、今年は3月2日(日)に『環境を考えるウォーキング』が開催されます。スタートは10時33分で、江ノ口川河畔の3kmほどのウォーキングですが、完歩者全員に『地球33番地到達証明書』が発行されるそうです。(募集は333名でしたので締め切られています)まさに3づくしです。
世界測地系での北緯33度33分33秒、東経133度33分33秒は、この場所から450mほど南東のところとなるのですが、実行委員会では旧日本測地系の江ノ口川の中の場所を「地球33番地」と認定して、今後も活動されるとのことです。
2014年02月19日
2月13日(木)の朝日新聞朝刊の科学面の「探究人」の欄に、地図地理力博士の上野将司さん(66)が載っていました。地図地理検定を受験し続けており、2年前に地図地理力博士になられた方で、受検し続けたのは「知識が身につくのが楽しい」からだ、とありました。上野さんは地質調査のコンサルタントに永年勤められ、地図が常に手元にあったとのこと、最後に「アリの目で現場を歩き、鳥の目で地図を見る。漏れのない調査を心がける。」と新聞の表題の“地球の医者、生涯現役で”宣言でまとめられていました。主催者の(一財)日本地図センターと(公財)国土地理協会の名前が載っていなかったのは残念でしたが。
地図地理検定は、今まで20回行われ、博士が25名誕生しています。検定は「一般」と「専門」に分かれ、「一般」は合格、不合格の判定で、「専門」は、1級から3級までの判定を行います。博士になるには、専門の試験で96点以上取るか、80点以上の1級を5回取る必要があります。全部で50問出ますので、40問以上の正解が必要となり、幅広い知識と経験が必要となります。上野さんは1級を5回取られましたが、自身の最高点は88点だったそうです。受検されていない方は、次回は6月22日(日)ですので、ぜひ挑戦して下さい、リピーターは、1000円引きです。
今まで検定の問題はすべて4択だったのですが、問題策定、合格判定等を行っている「地図地理検定委員会」では、次回の検定から、問題の自由度を広げるなどのため、「専門」の一部の問題に記述式の導入を検討しています。決まりましたら、パンフレットや主催者のホームページ等でお知らせします。
2014年02月12日
グーグル(株式会社)は先月16日、以前より公開していたサービスのひとつである「Google Earth」において、東京都/神奈川県/千葉県/宮城県の主要エリアの「新しい3Dマップ」を公開したと発表しました。既に本発表については、様々なニュースサイトで取り扱われているので、既知の方も多いのではないでしょうか。
上の図は、新しい3Dマップで見た(一財)日本地図センターです。この図だけではわかりませんが、この新しい3Dマップでは、東西南北の方向から都市を俯瞰でき、各建物の側面や、視点移動で手前の建物の陰に隠れた建物も見えるようになります。また、図に見えるビルディングのような大きな建物だけでなく、一戸建ての家屋や、街路樹まで細かく再現されています。これまで、Google Mapsで把握できない建物の外観や地形の凹凸は、Street Viewや、他社のサービスを利用する必要がありました。また、Street Viewでも、車道周辺の情報しか確認できなかったため、歩行者の「目的地周辺のイメージを予習したい」というニーズに対して、完全に応える事が困難でした。
この新しい3Dマップは、こうしたグーグルが従来から提供してきたサービスでは手が届かなかったニーズを埋めると共に、従来の紙面に描かれた地図とは異なる、新しい地図の可能性の先駆けになるのではないでしょうか。
2014年02月05日
この言葉は、先日の1月15日の夜10時55分から25分間のNHKの「探検バクモン」で、爆笑問題の2人とゲストの荒俣宏氏の3氏の進行で放映された中で流されたものです。この番組は毎週放映されており、今回の場所は、前週と同じ国立国会図書館での探検でしたが、その中の約50万点のコレクションを誇る世界有数の地図書庫の探検でした。国会図書館は、行かれた方はわかりますが、見たいものを依頼して、係員が書庫から出してくるのを待って見るだけしかできず、持ち出せません。しかも必要なところのコピーも資料の傷みが無いようにか、それとも著作権の問題なのか、専門の人がコピーするなど、厳重な管理がなされています。貴重な資料なのでやむを得ないのですが、大変時間がかかるシステムとなっています。これらを保管管理する地図書庫は、一般の人は入れないまさに秘密の場所でした。
“地図は歴史の真空パック”は、爆笑問題の太田氏が育った埼玉県上福岡市のある2万5千分の1地形図の「与野」の大正時代の地図を見ているときに流れたナレーションです。“真空パック”と言う言葉が、閉じ込めて保存していることの現代的な表現となっており、誰でもわかるうまい表現だと思いました。
その他面白かった表現に、“ここで暮らしちゃう”と言うのがありました。これはこの書庫に入った時に、地図好きのタモリさんの話が出て、爆笑問題の太田氏が彼のことを言っていた言葉です。地図好きの者にとっては、ここで暮らさなければ堪能できない膨大な量の地図、多種多様な地図が有ることを表現しており、温度湿度も快適に保たれ、まさに適切な表現だと思いました。
荒俣宏氏は、小説家と言うよりタレントと言った方が良いかもしれませんが、彼の小学校時代過ごした昭和25年ごろの東京都の板橋付近の空中写真が出てきた時に、“完全にグーグルだ”と叫んで当時の自分の家を見つけていました。若い人はともかく、60代後半の人でも空中写真を見て、“空中写真だ”と言わずに“グーグルだ”と言っていたのには、少し残念に思いました。正確には“真空パックのグーグルだ”かも知れませんが。
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