2013年12月

2013年12月27日

2014年・午年にちなんで「午」の付いた地名の問題です。「午」(うま)という字(あざ)のある市町村はどこでしょうか。たぶん全国でここだけです。

 答は新潟県の十日町市です。北越急行ほくほく線美佐島駅近くにあることが、十日町市のホームページで確認できます。
 ちなみに十日町市には子、丑、寅(寅甲、寅乙)、卯、辰(辰甲、辰乙)、巳(巳甲、巳乙)、午、未(未甲、未乙)、申(申甲、申乙)、酉(酉甲、酉乙)、戌、という字名があります。残念ながら亥の字名はありませんでした。

 国土地理院の「地理院地図」で「午」の字の地名検索をすると51か所あり、その中で福島市にあった「初午山」 という名前の山を載せます。

初午山
(画像をクリックすると「地理院地図」に飛びます)


 また「午」で地図に関係したものとしては、「子午線」があります。ご承知の通り「子」は北、「午」は南の方位を示しており、「子午線」は今では地球の北極と南極を結ぶ線を言いますが、言葉ができたときにはもっと単純に南北線を表したものと思われます。ちなみに東西線は卯酉線(ぼうゆうせん)と言うらしいのですが、私は使われているのを見たことはありません。そのほか「午」の月は旧暦で5月、「午」の刻は昼の12時を中心とする2時間、「正午」の由来です。



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コラム 

2013年12月25日

  本年11月24日に実施した第20回地図地理検定(一般)にて、下記のような問題が出題されました。

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第20回地図地理検定(一般)出題問題 
 ※一部文章改
 同じ場所で、発行年が違うA~Dの4枚の地形図があります。発行年の古いほうから新しいほうへ順に並べたとき、正しい順番はどうなりますか。
(2万5千分1地形図「小牧」:昭和62年、平成8年、平成14年、平成24年)

選択肢


(正解は本記事の最後にあります)


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 この地形図は、愛知県小牧市にある「桃花台(とうかだい)ニュータウン」周辺を示したものです。桃花台は、名古屋市中心部から北北東16kmほどの距離にある郊外型の新興住宅地です。
 AおよびCの地形図に描かれている鉄道は、2006年まで営業していた「桃花台新交通桃花台線(以下、ピーチライナー」という路線です。ピーチライナーは、「新交通システム」や「AGT(Automated Guideway Transit)」と呼ばれる小型のゴムタイヤ式車両を用いた高架鉄道でした。同種のものには、東京の「ゆりかもめ」や大阪の「ニュートラム」などが挙げられます(※1)

  桃花台新交通 (「地理院地図」を加工して作成)
A:小牧駅 B:小牧原駅 C:東田中駅 D:上末駅 E:桃花台西駅 
F:桃花台センター駅 G:桃花台東駅

 ピーチライナーは、桃花台ニュータウンへの足として1991年に開業し、わずか15年後の2006年10月に廃線となりました。現在のところ、日本の新交通システムで唯一の廃線事例となっています。
 では、なぜ廃止されてしまったのでしょうか。地図で桃花台周辺の交通状況を見てみましょう。
    桃花台周辺 (「地理院地図」を加工して作成)
 桃花台ニュータウン周辺には、西側に名鉄小牧線が、南方にJR中央線が通っています。ピーチライナーは路線の西側で名鉄と接続する形で建設されました。現在、名鉄小牧線は名古屋市側の平安通駅まで乗り入れ、地下鉄名城線と接続しています(※2)。しかし2003年までは、名古屋市中心部に向かう場合、名古屋市側の終着駅である上飯田駅から地下鉄平安通駅までの800mを徒歩で移動しなければなりませんでした。そのため、ニュータウン居住者は乗換えの不便さを敬遠し、南方にあるJR中央線・春日井駅まで自家用車で行き、そこから名古屋方面へ向かう手段を用いることが多かったようです。運賃や運転本数の面からも、名鉄経由と比べてJR中央線の利便性が圧倒的に高く、ピーチライナーの利用者を大幅に増やすことはできませんでした(※3)
 このほかにも、ピーチライナーは建設計画時、他の競合交通機関を考慮せずに需要予測を立てていたことや、桃花台ニュータウンの居住人口が当初の予想を下回ったことなどが、廃線に至った主な原因とされています(※4)。 このように、廃線の理由にはさまざまな要素がありますが、結局のところ、路線の建設ルートと沿線居住者の交通流動との間に乖離があったことが最大の問題であったといえます。
 ピーチライナーの線路が最初に地形図に掲載されたのは平成5年ですが、平成24年発行のものにはその表記がありません。地形図上では、わずか19年間しか載らなかったことになります。しかし、ピーチライナーの廃線跡は有効な活用方策も決まらないまま、現在も廃止当時のまま放置された状態となっています(参考→Googleストリートビュー

※1:ただし案内軌条の方式は異なる。
※2:上飯田〜平安通間は名古屋市営地下鉄上飯田線
※3:〈参考資料〉森川高行・永松良崇・三古展弘「新交通システム需要予測の事後評価―ピーチライナーを事例として―」運輸政策研究,7-2,2004年
※4:Wikipediaによれば、ニュータウンの計画人口は当初54,000人、その後40,000人に修正。小牧市ホームページによれば、2013年4月現在の当該地区の人口は24,908人。


問題の正解 D→C→A→Bの順


2013年12月16日

去る11月24日(日)、第20回地図地理検定が全国7都市会場にて一斉に実施されました(詳細は、12月4日付記事をご参照ください)。
 今回、受検された方より、ご自身の体験を踏まえた地図地理検定の楽しみ方について寄稿いただきましたので、ご紹介します。

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 職場の仲間たちと第20回地図地理検定(専門)を広島会場で受けてきました。初めての受検が第10回ですから、すでに5年が経過しました。今でも自己採点で「慌てずよく考えれば正解したのに」などと後悔することが多く、専門は難しいなと思います。それでも職場からの受検者は年々増えて、10名を超えるまでになりました。受検仲間が増えたことで、今では年2回開催される検定はすっかり恒例行事になりました。

/場風景(編集業務)私たちは地図制作会社に勤務していて、地図を作るための調査や編集をする現場にいます。でも地図会社だから誰もが地図の専門家という訳ではありませんし、大抵は日頃の忙しさなどから知識を磨くことを怠りがちです。
 初めは会社からの勧めがあって受検しましたが、その後がどうも続きません。そんな時、「検定は健康診断のようなもの、地図に関わる従業員なのだから定期的に受けたらどうでしょう。地図の理解が深まって仕事がもっと楽しくなりますよ」と先輩から受けたアドバイスが継続のきっかけになりました。

自分の実力を知る、力を試すなど受検の動機は様々だと思いますが、これに仲間同士で力を確かめ合うという要素が加わりました。もっと良い点を取りたい、もう少し力を付けたいという思いが継続に繋がりました。受検後は、はらはらどきどきの自己採点で一喜一憂します。居酒屋で賑やかに自己採点を始めたことで、楽しみがもうひとつ生まれました。試験問題を酒の肴に、仲間と語り合うひとときは格別なものがありま検定後の懇親会す。受検後の解放感を味わい、次も頑張るぞという気持ちを確認し合うこと...これも楽しみ方のひとつです。

(地図制作会社勤務・Y様)



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コラム 

2013年12月11日

約ひと月ほど前になりますが、1114日〜16日まで、「G空間エキスポ」が東京お台場の日本科学未来館で開かれました。テレビ東京系列で平日毎日夜11時から放映される小谷真央子キャスターのワールドビジネスサテライトでは、11月14日の放映でこの催しを取り上げていました。そして展示されているものの中で2つのことを紹介していました。

G空間エキスポ
 一つは自ら移動して位置情報を取得するロボットで、もう一つは回転しながらレーザーを当て位置情報を読み込む機械です。ロボットの方は、将来は情報を入手したうえで、荷物運びなどの手伝いを目指すとしており、機械の方は、立体的な地図を作ることができ、仮想空間と組み合わせることにより、タブレット端末などの立体の建物などを浮かび上がらせることができる、などの説明がありました。

またその次の15日には、特集で“売られる位置情報”の特集を行い、通信や鉄道サービスを使うたびに記録される位置情報について、通信会社や鉄道会社は、その情報を社内で利用するだけでなく、外部の企業に販売し始めていることが放映されていました。情報取得の承諾、拒否の手続きをどうするか、位置情報から挙がる利益をどう分配するか、課題もまだあるとのことでしたが。

さらに3か月ほど前の92日の放映では、トップニュースで“地図の進化で新ビジネス”として、キーワードを“位置情報”とし、スマートフォンを使ったあるベンチャー企業の取り組みをも紹介していました。それはスマートフォンで流れたツイッターやつぶやきを位置情報付きで集めて整理するビジネスで、実際に横浜市の"開港祭り"の昼と夜の人出の状況をこのツイッターやつぶやきを集めて住宅地図上で分析し、特に人手の少ない日中のイベントを考え行したことが報告されました。またスマートフォンを使って、近くの図書館や本屋さんにほしい本の在庫があるかの検索の例も報告されました。
 このように“位置情報”取得技術の進歩とそのデータの利用の拡大は、今後の生活を変えるものとしてビジネス界で注目されていることを感じました。



jmcblog at 09:22 
コラム 

2013年12月04日

 1124日(日)に20回地図地理検定が行われました。全国7都市の会場の他、立正大学の大学生、東京都立豊島高等学校などの高校生が各団体それぞれが任意に設定した会場で実施されました。
 受検者は合わせて38010才から80才迄の幅広い年齢層からの参加者があり、全国的に天候に恵まれた各会場で、日頃鍛えた地図地理の知識を試していました。

検定会場の様子



 検定直後のツイッターを覗くと、次のようなつぶやきが見られました。

 地図地理検定をうけてきます。今回は初めて専門に挑戦します。専門はほんとうに難しいけど、今の自分を知るために頑張ります!!
(長崎県から埼玉県に移り住んだ大学生)
 地図地理検定、勉強するきっかけになればいいなと思って何となく受検するのに、結局勉強できてないし、他の受検者の方ガチで地理好きっぽいし、はやくもこころが折れそう(;_;)帰ったらできんかったとこ勉強しよ(ある広島の大学生)
 地図地理検定、合格まで1問たりんかった(>_<)しかも冷静に考えたら分かった問題が2問あって、めっちゃくちゃ悔しい!でも問題作りの視点が面白かったから授業に生かせそうだし、勉強する気おきたから満足(^^)(ある受検者)

などなど、皆、前向きな学生さん!

 それにしても無事終わってホッとしています。現在、採点と解説の案の作成中で、12月中旬を目処に認定証等が届くよう鋭意作業を行っています。