2013年11月

2013年11月27日

2か月ほど前東京オリンピック2020の開催が決定しました。そこで“五輪”の付いた地名を、111日にリニュアルされ名称の変わった国土地理院の「地理院地図」で調べてみました。それによると自然地名では11カ所あり、その詳細は以下の通りです。

五輪山  3カ所 新潟県糸魚川市、長野県山ノ内町、
    広島県安芸太田町

五輪峠  3カ所 新潟県魚沼市、三重県松坂市、
    岡山県日南町、

五輪岩  1か所 群馬県安中市

五輪沢  1か所 群馬県中之条町

五輪平  1か所 長野県松本市

五輪高原 1か所 新潟県糸魚川市

五輪ヶ浦 1か所 長崎県対馬市
 呼び方については、「地理院地図」では日南町の五輪峠は、峠の部分に“ダワ”とルビが振ってありましたが、そのほかはありませんでした。別途調べると、五輪山については、糸魚川のが“ゴリン山”、山ノ内町のが“ゴリンサン”、安芸太田町のが“イツワヤマ”と異なっていました。図のように糸魚川市の五輪山は五輪高原とペアで表示されていました。

五輪山(糸魚川市)五輪峠 魚沼市
(左)新潟県糸魚川市の五輪山と五輪高原
(右)新潟県魚沼市の居住地名の五輪と五輪峠


居住地名については、“五輪”は岩手県盛岡市、宮城県栗原市、宮城県大河原町、宮城県色麻町、新潟県魚沼市、山口県下関市、長崎県五島市の7カ所にありました。魚沼市の五輪集落には、図のようにペアで表示されています。五輪峠が五輪塚など五輪に何かついた居住地名は更にありました。

なお「地理院地図」には載っていないが、五輪山については埼玉県飯能市と岡山県真庭市に、五輪峠については岩手県奥州市と遠野市の境と群馬県前橋市と沼田市の境にあることは確認しています。まだまだあると思います。



jmcblog at 14:24 
コラム 

2013年11月15日

海上保安庁海洋情報部のホームページで、平成251022日“日本提案の海底地形名を国際会議が承認”の記事が載っていました。国際水路機構とユネスコ政府間海洋学委員会で実施する委員会が、全世界の海底地形図の作成を目的とした事業の企画調整を行っています。この委員会によって今回沖縄県宮古島の南東方沖の海底の海山に、「鉄幹海山」、「漱石海山」の名前の付与が承認されたとのことです。

ご承知の通り、“鉄幹”は明治から大正の著名な歌人である与謝野鉄幹であり、“漱石”は、「坊ちゃん」などで有名な文豪夏目漱石です。下図は今回命名が行われたところの地図の一部で、「鉄幹海山」はА◆巖石海山」は┐任后

鉄幹漱石海山位置図

なお今回は各国から提案された海底地形のうち48件に名称が付与されました。日本から提案された20件のうち、歴史上の著名人の名前に由来するものはこの2件でした。その他では、明治の初代水路部長の柳楢悦氏から由来する「柳平頂海山」など水路業務に貢献した人名に由来したものが6件、宮古島にある「平安名岬」に由来する「平安名海山」など近くの地上の地名に由来したものが3件、京都の葵祭に由来する「葵海山列」など著名な行事に由来したものが2件、北斗七星の和名に由来する「むぎ星海山」など、星に関係したものが7件ありました。



jmcblog at 17:32 

2013年11月12日

 アメリカでは、旅行者の利便を図ったり旅行計画の立案に役立つように、州政府の道路管理担当部門(Department of Transportation,以下 DOT)が州全体のハイウェー網が一覧できるような小縮尺の紙地図を印刷していたようですが、その印刷部数がかなり減少しているようです。

米国の雑誌、エスクワイアーのブログ

http://www.esquire.com/blogs/news/lament-for-the-highway-map

 が、50の州のDOTに紙地図のハイウェーマップの印刷について非公式に尋ねたところ、約半数から回答があり、例えば「在庫が多数ある」(テネシー州DOT)、「部数を減らして35万ドルの節税効果につながった」(ミズーリ州DOT)、「8月の州の行事で無料配布しているが、配布部数は低下し続けている」(ミネソタ州DOT)、「2008年以降、印刷サービスを止めたからといって、特段の苦情は受けていない」(ワシントン州DOT)など、その印刷にかなり消極的な結果が示されたといいます。似たような傾向はアメリカ自動車協会(AAA)や地図販売のランド・マクナリ―社でもみられ、AAAによれば、ドライバーの旅行計画に資するための紙地図やアプリケーションソフトについては、現地の不案内を心配するドライバーになお、好まれているといいます。また、ランド・マクナリ―社は、Web地図やアプリケーションソフトに影響を受けて、街区地図についてはかなり需要が落ちていますが、州レベルの小縮尺地図については、需要は落ちているものの、街区地図ほどではないといっています。

 シカゴ、ニューベリー図書館の古地図センター長のジェームズ・エイカーマンによると、20世紀には、州政府のみならず、石油会社、自動車クラブ、その他さまざまな組織が何10億枚という地図を印刷して、ドライバーに自動車旅行を促していたといいます。また、エイカーマンは、黄金期にあったハイウェーマップについて、単に行き方を示したものではなく、国全体を一覧することについて人々がどのように思っていたかを示すものだったと語っています。こうしたかつてのハイウェーマップは、古地図マニアからは1枚300ドルを下らない値をつけられるものもあるといいます。

 事情はどの国も同じようですね。



jmcblog at 19:46 
コラム 

2013年11月06日

横浜市歴史博物館では、企画展「横浜市立大学コレクション古地図の世界 地球のかたちと万国の大地」を1124日まで開催中です。歴史地理学者・故鮎澤信太郎氏が収集した古地図で横浜市立大学に寄贈された地図など約60点が展示されています。
 全体的には、江戸時代の世界地図が中心ですが、こんな面白い地図もあります。

横浜市立大学コレクション古地図の世界 地球のかたちと万国の大地

●世界六大州(江戸時代 1853年以降刊)
  世界地図ですが、地図の周辺に「大人国」、「小人国」、「女人国」などの文字と人の姿が描かれています。
●万国航海図(江戸時代 1862年刊)
  宇宙から見ることができなかった時代に、これほど詳細に大陸の形がわかっていたのかと驚きます。
●マテオリッチ原図の坤輿万国全図(コンヨバンコクゼンズ)
  中国に渡来したイエズス会のイタリア人宣教師のマテオリッチが作った地図で、幻の大陸「メガランカ」が南極大陸から大きく伸びるように描かれています。
 

 一方、静嘉堂文庫美術館(東京都世田谷区)では、北海道の名付け親で幕末の北方探検家の松浦武四郎が残したコレクションが約600点所蔵されておりますが、そのうち125点が展示されています。展示は128日までです(詳細はこちら)。

注目されるのは、「東西蝦夷山川地理取調図(とうざいえぞさんせんちりとりしらべず)」で、多色刷りのこの地図は、1枚は経度緯度を1度ずつ区切ったもので、26枚を並べると縦2m40cm、横3m60cmの広さとなり、北海道、国後島、択捉島の地図となっています。伊能忠敬や間宮林蔵が測量した沿岸部のデータに、歩測とスケッチそれにアイヌの人々から得た情報に基づいて内陸部を詳細に表したものです。この地図では、川が流れる様子のほか山がある場所をケバで表現しています。