2009年09月11日

堀江水準標石(千葉県浦安市堀江4丁目1 清龍神社境内)

−土木学会選奨土木遺産
                     (平成192007)年1210日指定)−


   土木学会選奨土木遺産として指定された 「堀江水準標石」 は、日本最古の水準標石で、オランダ人技師 「I・Aリンド」 が明治5 (1872) 年8月にこの場所で観測した記録が彼の日記に残されています。日記によれば、8月に堀江で観測に着手してから、江戸川を水準測量による縦横断測量しながら遡り、関宿には9月に到着しました。更にここから利根川を下り、銚子の飯沼観音に10月にたどり着いています。

リンドは、飯沼観音の境内にも堀江水準標石と同様の水準原標石を設置し、この水準原標石の高さを決めるため、利根川河口に設けた水位尺(量水標)の零目盛を通る面を基準面にして高さをあらわしました。そして、これを名づけて日本水位 (J.P.:ジャパン・ペイル/ Peilはオランダ語で水準の意) と呼び、関東全域の高さの基準としたのです。

このように、わが国の高さは日本水準原点が完成した明治24年まで、河川ごとの河口に設けた水位尺の零目盛を基準としていたのです。

堀江水準標石リンド
  
 
  




  堀江水準標石(左) 
          
                I・A リンド(右)
写真は銚子リンド研究会設立記念講演会報告書より
http://www.gsi.go.jp/WNEW/koohou/475-5.htm   


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2009年09月04日

 
 測量は、その時代時代における社会の要請とともに発展してきました。近年において阪神淡路大震災や有珠山の噴火災害を機に測量が防災に貢献することが期待されてきました。平成13年 1月から国で唯一の測量事業機関である国土地理院は中央防災会議の指定行政機関として、災害情報の収集・提供の役割を担っています。

  これまでのわが国の測量は、歴史的な歩みから三つに大別することができます。
  一つ目は、土地の所有や権利に係わる測量です。自分の所有する土地を正しく確定し、記録することは各々の国民が安心して自分の生活を維持し、他人に対してその権利を主張するために必要です。そのためには、まず確かな測量が行われなければなりません。記憶に新しい阪神大震災においても、復興にあたって個人の土地の境界をどう再現するかが大きな問題となりました。このような土地の所有、権利に関連する測量は重要な測量の一つで、社会の進展とともにますます重要性を増してきています。その種の測量の流れは、現在の土地台帳の測量(法務省)、地積測量(国土交通省土地資源局 / 旧国土庁土地局)等に係累しています。

  二つ目は、行政上および防衛上の国土の実態把握のための測量です。 日本に限らずどこの国でも国家が形成され、他国との関係が出てくると、行政上や防衛上の理由により、国土の状況を把握することが必要になってきます。 全国的に統一された規格で、国土の状況を把握することは、国家として不可欠なことです。 伊能忠敬が作成した全国図や、陸地測量部の5万分の1の地形図等は、その成果であり、現在国土地理院が担当している基本測量がこの流れを引き継ぐものです。
  三つ目は、土木技術と関連した測量です。東大寺のある平城京は、唐の都 「長安」 を模して建設された都市ですが、整然と区画された街並みは、測量の技術なしでは考えられません。このように、都市計画、築城、治水、農地の開墾等において土木技術と関連した測量技術が発展しました。土木測量といわれる測量の流れです。私たちの生活基盤を作り、維持するために必要な測量です。 公共測量といわれているものの大部分がこの分野のもので、国土交通省や農林水産省および地方自治体の所管となっています。
  防災は測量の新たな四つ目の私達の安全な暮らしに貢献する技術として、社会でおおいに期待されています。

01 コスモス4

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jmchako at 11:49 
コラム | 防災
 

地図の上方は、なぜ、「北」になるのか。と質問を受けたことがありますが、別に決まりはありません。国土地理院をはじめ国内・外の政府機関が発行する地図の大半は、地図の上方を「北」にしています。しかし、南半球に位置するオーストラリアでは、地図の上方を「南」にした地図もあります。

05 磁針方位・コンパス2  では、どうして地図の上方を「北」にしたかについては、()地図を北極星の方位に対比するのに便利だから、()磁石で方位を求めるとき、磁石の針はいつも「北」を指し、地図にあわせるのに都合がよいから等いろいろな説があります。
  ところで、北と南を基準にして示す方向を「方位」と呼んでいます。方位には、真方位と磁針方位があり、地図の指す方向は「真方位」、磁石の針の指す方向が「磁針方位」です。真方位と磁針方位には若干のズレがあります。現在は日本では、磁石の針は真方位より西に偏った方向を指します。この真方位と磁針方位とのズレの量は、地域によって、日時を追って変化します。札幌では磁針方位は西偏約9度20分、東京では西偏約6度50分、宮古島では西偏約3度50分です。地形図の図郭外に磁針方位が書かれていますので、地図上で磁石を用いて方位を求める場合には、参考にしてください。


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(問3)
伊能忠敬が利用した測量方法について述べた文として誤っているものを、次の 銑い里Δ舛ら一つ選んでください。

 

歩幅と歩数から距離を求める歩測を行った。

北極星の高度を測る天測を行った。

距離と角度から位置を順番に求めていく多角測量を行った。
経度を決めるため離れた場所で時刻の同時測定を行った。

 
解答と解説はこちら

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正解は

 伊能測量隊の測量は、基本的に多角測量(導線法)であり、距離の計測には歩測、間縄(けんなわ)、鉄鎖(てっさ) を用い、角度の測定には彎※カ羅鍼 (わんからしん / 通称杖先磁石) と呼ばれる現在のアリダードのようなものや半円方位盤を用いました。遠方の山頂を見通し、それぞれの角度から自分の位置を確認する後方交会法類似の方法も用いています。測定誤差補正のため、晴天の夜は象限議 (しょうげんぎ) を用いて天体観測を行いました。
 

※ネット上で表示できない漢字

部首(あなかんむり)音読み:/ 訓読み:す、くぼみ、あな/JIS無し

                                                                  
04 象限儀(小)03 半円方位盤 
小象限儀(しょうしょうげんぎ)           半円方位盤(はんえんほういばん)
小方位盤ともいう。象限儀は大・中     運搬しやすいように半円形にした方
・小と3種類あるが、小型は土地の     位測定器具。三脚台のうえに水平に
傾斜を計測するために使った。        置き、山頂や島などの方位を測った。
                           
*写真は伊能忠敬記念館所蔵(千葉県佐原市)                              
 http://www.city.katori.lg.jp/museum/data.html  


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